中国・広州に行ってきた::広州市内視察編

前回の記事「中国・広州に行ってきた::日本出発編」に続き、到着日の夜に少しだけ広州市内を見て歩いた様子を書いていきたい。著名な観光地には全然行かずに市内の興味深いところを見て回っただけで、観光旅行記と言うには大げさな気がするのでここでは「視察」ということにしておく(笑)。

広州での通信環境

その前に少し前回書き忘れたことを。日本では通常、NTTドコモと契約した回線を主回線として使用し、それをアップルのiPhone SEにて運用している。今回は中国国内での通信環境としてNTTドコモが提供する海外パケ・ホーダイサービスによる現地キャリアとのローミングサービスを利用することとした。

日本国内の在住者が海外でインターネット回線を使用する方法はいくつかあるが、その中でも国内キャリアが提供する海外旅行者向けの定額データローミングサービスは少し割高な選択肢だろう。しかし今回は3日間と短期間である、端末を購入してからSIMロック解除凍結期間が存続しロック状態のため現地SIMの利用が困難である…などの理由によりこの方法を採用した。

iPhone SEではさすが世界で使われているグローバル機なだけあって多様なバンドに対応し、世界各地のキャリアに接続可能である。NTTドコモのサイトによれば、広州では中国移動通信(China Mobile)と中国聯合通信(China Unicom)が使用可能で、高速なLTE通信にも対応する。サービスの有効化は端末の設定でローミングをON状態にするだけでよく、SIMの入れ替えやWi-Fiルータの持ち運びなど面倒な作業をする必要がないのもメリットのひとつだろう。

さて、中国に到着後ローミングを有効にすると…デフォルト状態でChina Mobileに接続された。画面の接続先キャリア表示が「中国移动」になるのも少しかっこいい(笑)。

また、中国国内で考慮しなければならないのが金盾による種々の通信規制だろう(仕組みや具体的な規制対象はWikipediaの該当項目が詳しい)。これを乗り越えるため、日本国内のクラウド事業者の環境に自前VPNサーバを立ち上げたり、VPNサービスを提供する事業者と契約したりと、かなり入念な準備をしていたにもかかわらず、それらのVPNサーバを経由する事なくTwitterやGoogleにあっさりと接続できてしまった。中国に到着して早々に拍子抜けしてしまったが、これも海外パケ・ホーダイサービスを使用しているからだろうか?これについては今後要調査である。

ちなみにiOS10やmacOS Sierraからは、中国国内からの接続で安定していると言われるPPTPによるVPN接続が使用できなくなった事に注意しよう。IPsecやL2TPは使用可能であるが、もしVPN接続先がPPTPしか対応していない場合はこれら最新のOSでは接続できない。

CICF EXPO会場周辺のバス

さて、CICF EXPOの会場である保利世博展览中心の最寄りバス停には、CICF EXPOの開催を記念した2次元の痛いラッピングバスが運行されているらしい。とのことで人で一杯のバス停付近にしばらく張っていたが、結局見かけることはできなかった。

ちなみに中国国内のバスは詳しくないので車種等はいずれも不明。知っているような欧州や日本のメーカのものは無かった。やはり地元広州のバスメーカー「羊城汽車」のバスが多いのかな?

広州の新交通システム

まず向かったのは広州塔駅。ここは地下鉄3号線の駅だが珠江新城新交通システム線(通称APM線)に乗り換えができる。APMは新交通と冠されているだけに無人運転車両が走行する路線だ。やはり遠く広州まで来たからには、中国国内でも数少ない新交通システムに乗っておかないといけない気がするし(笑)。

ちなみにAPMのラインカラーは、日本を代表する新交通システムであるゆりかもめのターミナル「新橋駅」と同じ新橋色らしい。これは偶然なのか意図的なのかは不明。

しかし広州塔駅、国慶節のさなか中国国内の観光客がこぞって広州タワーに登ろうとするせいか混雑しすぎ。切符の券売機もすごい行列だし、自動改札からコンコース、ホームまでものすごい人。ところどころに鉄の柵で待機行列を形成したり、ホームへの入場規制で係員が制止するなどの対応がされていたが、とにかく大混乱だった。

そしてAPM線の案内を目指して進んで行くとホームらしきものが…。あ、あれ?地下なんですね…まぁ、新交通は全部地上ってわけでもないでしょうけど…。

そして乗車!もちろん先頭!すごい…窓が大きい…。国は違えど、この特等席は子供達に大人気でした。

でも、路線全てが地下なのよね…同じ風景が延々と…。

ちなみに車内は、車両の端っこにちょこっと座る場所があるだけで、基本的にみんな立ってます。都内の6ドア車みたい。まぁこのぐらいの短い路線ならこれでいいのか。

広州のイオン

そして降りたのは体育中心南駅。ここは市の中心部に近く、多数の商業施設がある。ここの一角は外資系の店が立ち並んでいた。

実は事前にリサーチしていたのだが、この付近にはイオンがある。

イオンは広州市内に10店舗ほどあるようだが、ここは市の中心部ということで比較的規模の大きな店舗である天河城店。店内にはTOPVALUブランドの品物もあるし、

日本の製品もある。ただし値段はかなり高額。

他には野菜もあるし惣菜コーナーもある。惣菜コーナーには寿司もあったが、ネタの発色はどれも赤みがかっていてすこし微妙だった…。

結局何も買わずにイオンを後にした。

羊城通チャージ機

羊城通とは、広州市内で使用できる共通ICカード。地下鉄やバス、タクシーはもちろん、一部のコンビニでも使用可能。導入は2001年末と、香港の八達通ほどでは無いにしろそれなりの歴史がある。

今回はわずかな滞在だったので買わなかったが、駅の構内にチャージ機があるのを発見。

画面を見るとチャージ以外にいろいろな支払いに使えるようだ。

次回はいろいろと活用してみたいところ。

体育中心付近の巨大地下街・ショッピングモール

体育中心付近には巨大な地下街が張り巡らされている。調べると「时尚天河商业广场」という名前のようだが、とにかくとてつもなく広いのでどこからどこまでが地下街なのかもよくわからない。案内もほとんどない。

実は中国に渡る前、この地下街からアクセスできる、これまた巨大なショッピングモールにゲームセンターがあるとの情報を掴み、そこに行きたかったのだが…とにかく大きいし案内も見当たらなくてあきらめかけていた。ちなみに腹も減ってたけど、飲食店は一人で入るような雰囲気のところが無く、我慢する事に。

途中見かけたセブンイレブンのソフトクリーム、食べてみればよかった…。

と思いながらだいぶ歩き回ったところ、広い場所に出た。おぉ、ここが目的の「正佳广场」ではないか!

ゲーセンは一番上にあるらしいので、ひたすらエスカレータを乗り継いで上へ。にしてもこのショッピングモール、かなり大きい。

吹き抜けも、渡り廊下も多数ある。迷子になりそう。

そしてゲーセンにたどり着いた。日本でもあまり見かけなくなったダンエボ(アーケードゲーマーなもんで当然中国にもe-AmusementPassカード持って来てたけど非対応だったし、何よりぼっちプレイは恥ずかしいのでやめた…)

DDRっぽいやつ(江南スタイルとか流れてた)も。

プライズの商品は…具体的なコメントは控えますが微妙な感じです…。

またさらに奥まったところには太鼓の達人がずらりと並ぶ一角が。ちょうど青年二人組がゴマエーを叩いてる。収録曲や言語を見るに日本の業務用機まんまのようだ。

ほか、頭文字Dなんかも。

ちなみにダンエボがあったので麻雀格闘倶楽部もあるかと思ったけど無かった。最近はやってないけど、昔は香港の店舗からの接続もよく見かけたよね。

さて、ゲーセンを離れてモールの中をぶらぶらしていると…吉野家を発見!ここなら一人でも気軽に!と思ったけど、なんか高級店っぽくって諦めた…。でもまぁよくよく考えると、せっかく広州に来たのにこういう選択しかできない俺は一体。

さらに歩くと、携帯電話屋が集中する場所に。これはChina Mobileの店。どんな端末があるのか興味深かったけど、携帯電話屋特有の店員トークが中国語だったら躱せる勇気が無くて店内に入れず。ちなみに隣はマイクロソフトで、WindowsPhoneやSurfaceなどを売ってた。

ということで、体育中心付近はこのくらいにして、今度は広州タワーに行って見ることにした。最寄りの广州塔駅はさほど遠く無いはずなのに、乗り換えの駅ではやはり異常に混雑。列車に乗るまでが大変でした…。

そしてなんとか广州塔駅に到着し地上に出ると…おぉ、真上に高さ610mを誇る広州タワーが!

広州タワーのほとりには川が流れていて、超高層ビルの夜景を背景にド派手な観光船が大量に行き来する…。とにかくこの国はなんでもギラギラしすぎる(笑)。

広州タワーだってそりゃもう塔全体が頻繁にアニメーション。

普通のオフィスビルみたいなのも壁がぎらぎら光りまくるし。

こんな賑やかな夜景、東京にもなかなかないよな…。日本は風景が大人しいなぁと逆に自分の国の事を考えてしまった。

もちろん風景だけでなく、それらを眺める人々も賑やかすぎる。都心部で行われる花火大会程度の混雑っぷりと考えるとわかりやすいかと。

さらに、これは全く調査していなかったので驚いたけど、LRTみたいな路線も!

結局この日は乗らなかったけど、翌日に乗る事になったのでこの顛末はまた記事の後ほどで。

しかしもう人は多いわ腹減ったわで疲れてしまい、宿に戻る事に。そこでまた广州塔駅の待機行列が…。

ここから先は人ごみで身動きが取れないのと疲れのせいで、宿の最寄り駅までの画像が残ってなかった…

そして宿最寄り駅であり、CICF EXPO会場最寄り駅でもある琶洲駅に到着。夕方に到着した時の賑わいはなく、广州塔駅のあの大混雑の後だったので、このガラガラ感がなんだか寂しかった。

しかし、降りたところの会場前の広場に出ると、明日のAqoursステージの練習に備えてかユメユメを流しながらブレードを振るヲタクのみなさんを見かけました…ちょっと一安心(笑)

あとは宿の近くにファミマがあったので、結局そこで弁当を調達して部屋で食べるという、なんとも寂しい夕食になったのでした…。

ということで、広州市内視察編はこれまで。続きは2日目の散歩に続く。